World Coffee Research, Good Practice Guide: Coffee Nursery Management
モジュール3:無性生殖
World Coffee Research, Good Practice Guide: Coffee Nursery Management
モジュール3:無性生殖
このページの記事は、World Coffee Research (WCR) の許可を得て、東村珈琲産業振興地域協議会がGood Practice Guide: Coffee Nursery Managementの一部を翻訳したものです。ただし、翻訳文の正確性その他についてWCRによる審査や承認は受けておりません。
また,このページの挿画は Google Gemini で生成したもので,WCRの原本には含まれておりません。
接ぎ木は、丁寧かつ注意深く行うべき工程です。接ぎ木に携わる作業者は、苗の枯死率を下げ、生産性を高めるために、事前に研修を受けなければなりません。
接ぎ木は重要な作業であるため、作業者は事前に研修を受ける必要があります。初心者の接ぎ木作業者は1日50~100本程度の接ぎ木ができます。2~4週間後には、1日あたり250~400本程度までこなせるようになります。熟練者になると、1日最大800本の接ぎ木が可能です。
接ぎ木担当者に求められる要件は次のとおりです。
すべての作業者は、肘まで石けんで手を洗わなければならない。
爪の汚れは一切認められない。石けんとブラシで爪を清潔にすること。
すべての作業者は、作業場でエプロンを着用し、清潔な、つま先を覆う靴を履かなければならない。汚れた靴やブーツを履いた作業者は入室を認めない。
以上の要件を満たした作業者のみ、作業エリアに入ることができます。
作業台:ステンレス製の台が望ましい。清掃がしやすく、人体にも無害で、細菌や病原体が繁殖しにくいためである。ただし、木製、ガラス製、プラスチック製の台でもよい。作業台は、1日2回、消毒液で消毒すること。
パラフィルム(接ぎ木テープ):穂木(芽)を台木に固定するために使用するテープ。パラフィルムは、接ぎ木部分が適切に保持・癒着するための物理的な支えとなる。
消毒液入りのスプレーボトルまたはトレイ:接ぎ木作業者は、新しい接ぎ木を行うたびに、手指と刃物を消毒しなければならない。
水入りスプレーボトル:接ぎ木作業者は、接ぎ木苗を乾燥させないよう、母樹と接ぎ木苗に絶えず水を噴霧しなければならない。
刃物:接ぎ木作業者は、台木および穂木を切るための刃物・はさみを備えていなければならない。
接ぎ木にはいくつかの方法がありますが、本ガイドでは1つの方法のみを扱います。
(1) 芽(穂木)の受け取り
母樹用温室で切り出し、選別された芽(穂木)を受け取る。
(2) 台木の受け取り
あらかじめ選別された、根の発育が良く、裸根状態の台木を受け取る。
(3) 台木の根の下処理
この作業は、専任の担当者を置くことが望ましい。担当者の役割は次のとおり。
🌱 二又根、短根、病原体による被害を受けた根など、品質の劣る台木を廃棄する。
🌱 担当者は、切るたびにはさみを消毒しなければならない(例:ヨウ素液4cc/Lなど)。台木の根は、首元(根首)から5 cm(±3 mm)の位置で、均一に切りそろえなければならない。
🌱 下処理を終えた台木は、束にまとめて接ぎ木チームに引き渡さなければならない。
🌱 台木は、主に根の乾燥を防ぐため、水を噴霧したうえで、粘着性のビニールで保護すること。
🌱 担当者は、個々の接ぎ木作業者へ台木を絶え間なく供給し、作業エリアを清潔に保つ責任を負う。
(4) パラフィルムの準備
この作業も、専任の担当者を置くことが望ましい。担当者の役割は次のとおり。
🌱 接ぎ木チーム用に、均一な長さのパラフィルムを準備し、接ぎ木エリアを清潔に保つこと。パラフィルムは、台木と芽(穂木)を仮止めし、接ぎ木の活着を確実にするために使用する。
🌱 担当者は、個々の接ぎ木作業者へ台木を絶え間なく供給し、1日の終わりだけでなく常に作業エリアを清潔に保つ責任も負う。さらに、この作業が終わったら、接ぎ木作業場を清潔な状態にしておかなければならない。
すべての準備が整ったら、接ぎ木を開始します。
(5)
🌱 まず、台木を1本取る。次に、刃物を取り、消毒する。
🌱 台木の上部(葉と芽)を切り落とし、長さ2.5 cm以上の縦切り込みを入れる。清潔な台に置いておく。
(6) 良質な芽(穂木)、または発芽苗を1本取る。
(7) 刃物を取り、十分に消毒する。
(8) 芽(穂木)の茎に沿って、台木に入れたものと同じ長さの縦切り込みを入れる。
(9) 切り口の露出した組織に触れないよう、できるだけ速やかに台木と芽(穂木)を接合する。
(10) パラフィルムで下から上へ、緩まないように巻き付ける。このためには、パラフィルムを引き伸ばしながら巻く必要がある。切り口より上まで巻き上げ、パラフィルムが組織をしっかり保持するようにすることが重要である。パラフィルムの長さに特定の決まりはなく、扱いやすい長さであることが最も重要である。接ぎ木部分を締め付けすぎないよう、テープの幅は13 mmを超えてはならない。
(11) 完成した接ぎ木苗をプラスチック容器に入れ、水を噴霧する。
(12) 接ぎ木苗を、培地ブロックまたは苗床に置く(セクションE参照)。
(13) ガラス台を綿とアルコールで拭いて清掃し、工程を最初からやり直す。
(14) 接ぎ木苗の各トレイには、トレーサビリティのための情報として、品種、接ぎ木日、ロット、接ぎ木作業者の氏名またはコードを記載したラベルを付ける。さらに、品種を区別するために色分けコードを併用することもできる。
🌱 特定の作業者が行った接ぎ木について、将来問題が生じた場合に対応できるよう、接ぎ木工程に携わった人員の記録を残しておくことが重要である。チーム内の各作業者(芽を切る担当者、パラフィルムを切る担当者、運搬担当者)に、それぞれ番号を割り当てておくことが推奨される。
🌱 工程全体を通じて、台木と芽(穂木)を正確に識別できる状態を維持しなければならない。
[訳注]
接ぎ木作業者数:その回の接ぎ木作業に携わった人数。
容器:接ぎ木苗を入れる容器(トレイ番号などの識別に使う場合あり)。
ロット/コード:台木・穂木のロット番号/識別コード
由来(原産):母樹・台木の出所(どの圃場・ロットか等)。
出荷先(定植先):接ぎ木苗が次にどこへ送られるか(定植先の温室やプロット等)。
接ぎ木本数:その回に行った接ぎ木の総数。
台木廃棄数:(3)の工程で廃棄した不良台木の数。
確認(計数):接ぎ木後、一定期間を経てからの活着確認・在庫確認で,以下3項目。
日付:確認(計数)を行った日付。
在庫数:生存・活着している苗の数。
廃棄数:確認時点で枯死・不良と判定し廃棄した苗の数。
トレーサビリティの詳細については、モジュール6を参照してください。表の末尾には、特定の接ぎ木を廃棄した主な理由を記す総評欄を設けることが推奨されます。これにより、前段階の作業における問題点を特定し、不適切な作業を是正することができます。
安全な施設と継続的な消毒
作業者の衛生プロトコルを守る
植物間で切るたびに道具を消毒する
適切に研修を受けた接ぎ木作業者を配置する
接ぎ木苗を20~25℃、湿度70~90%に保つ。できるだけ早く、培地ブロック、トレイ、または直接苗床に定植する