World Coffee Research, Good Practice Guide: Coffee Nursery Management
モジュール2 種子繁殖:
World Coffee Research, Good Practice Guide: Coffee Nursery Management
モジュール2 種子繁殖:
このページの記事は、World Coffee Research (WCR) の許可を得て、東村珈琲産業振興地域協議会がGood Practice Guide: Coffee Nursery Managementの一部を翻訳したものです。ただし、翻訳文の正確性その他についてWCRによる審査や承認は受けておりません。
また,このページの挿画は Google Gemini で生成したもので,WCRの原本には含まれておりません。
本節では、発芽床・母本(さし木用親株)・移植・その後の管理に使う、不活性培地(ピート・砂・砂利など、病害虫を含まない既製の培地資材)と自家配合培地について詳しく説明します。苗が生育する各段階に応じて、培地の配合割合を調整し、適切な養分管理を行うことが推奨されます。発芽から管理までの一連の流れは、このモジュール2およびモジュール3で詳しく説明します。
育苗現場で使われる培地の種類は多岐にわたります。最も一般的なのは、表土に砂と有機物を混ぜたもので、市販品を使う場合と、育苗担当者が自分で配合する場合があります。
培地は次の条件を満たす必要があります:スポンジ状(保水力が高い)であること、砂質またはきめのはっきりした質感であること、排水性・通気性が良いこと、そして軽いこと(種子の発芽と根の生育を助けるため)。培地(土)には、根の生育を妨げるおそれのある固形物(小石や異物)が混じっていないことも必要です。
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培地は高品質な原材料で作らなければなりません。また、汚染や品質劣化を防ぐために適切に保管する必要があります。購入品の場合は、受け入れ時に厳格な品質基準を満たしていることを確認します。現地で培地を自家配合する場合の原材料についても、同様の基準が当てはまります。保管中の品質管理も欠かせません。
培地(および原材料)を検査する際にチェックすべき衛生上の基準は、次のとおりです:
🌱 センチュウ(線虫)がいないこと
🌱 リゾクトニア菌(Rhizoctonia solani)、フザリウム菌(Fusarium spp.)、ピシウム菌(Pythium spp.)などの植物病原菌がいないこと
🌱 小石やごみが混じっていないこと
🌱 過度に湿っていないこと
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使用する原材料の化学分析を行う、または供給元に分析結果を求めることが重要です。最低限、pHと電気伝導度(EC)は測定してください。培地のpHは5.6~6.2の範囲に、電気伝導度は1.0mS未満に保つ必要があります。培地の塩分濃度が高すぎると、種子の発芽が阻害されたり、生育が著しく悪化したり、葉の縁が枯れる(葉焼け)といった生産上の問題を引き起こすことがあります。
発芽段階から育苗管理の段階まで、ピート、砂、砂利、石などの、コーヒー栽培で実績のある配合をあらかじめ使うことが推奨されます。ただし、あらかじめ消毒された自家配合の培地を使うことも可能です。
🌱 砂は培地の中で非常に有用です。培地をふかふかにし、通気性を保つのに役立ちます。
🌱 粒径1mmの砂が推奨されます。使用前にふるいにかける必要があります。
🌱 砂の種類によっては、不純物を取り除くために使用前に洗う必要があります。そのため、市販の観賞魚(アクアリウム)用の砂がおすすめです。
🌱 砂利は土壌の排水性と通気性を保ちます。
🌱 石英や軽石もよく使われています。
🌱 ピートの供給元は複数あり、それぞれ配合(処理方法)が異なります。
🌱 一般的にピートは保水力が高く、通気性が良く、不活性(病害虫がない)です。初めて使用する際は消毒の必要がありません。
🌱 ピートの効果は配合によって異なります。発芽床には、粒径5~6mm(±2mm)のものを使用する必要があります。
🌱 ピートは規格化された製品で、品質にばらつきがありません。
自家配合の培地は、原材料のコストが低く入手しやすいことから、多くの農園で使われています。コーヒーの発芽に最も適した配合を見極めるために、育苗場でさまざまな配合比率を試してみることが推奨されます。入手できる原材料の種類や品質にばらつきがあるため、特定の配合を一律に推奨することはできません。
主に使われる培地資材とその特性は、以下のとおりです。
🌱 管理された条件下で、有機廃棄物が好気性・嫌気性の生物分解を経てできたものです。
🌱 土壌の物理的性質を改善し、水分と養分を供給し、排水性を高めます。
🌱 土壌の通気性(多孔性)を高めます。
🌱 土壌のpHを調整し、よりアルカリ性に近づけます。
🌱 ミミズが有機廃棄物などを消化することで得られる有機肥料です。
🌱 窒素、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウムなどの主要な養分に加え、必須の微量要素も供給します。
🌱 通気性・浸透性・多孔性など、土壌の物理的な状態を改善します。
🌱 発酵させ、半分ほど分解させた有機肥料です。
🌱 養分・水分・多孔性を供給します。
🌱 安価な原材料から作ることができます。
🌱 自重の3~4倍もの水分を保持できます。
🌱 pHはやや酸性で、通気性も良好です。
🌱 使用前に塩分を取り除くため、水洗いする必要があります。
その他に使用できる資材として、もみ殻やマカダミアナッツの殻などがあります。
[訳注※]ゴールドレベル,シルバーレベルというのは,技術的な発展段階を示すもので,以下の3段階
🥇ゴールドレベル:優れた取り組み
🥈シルバーレベル:良好な取り組み
🥉ブロンズレベル:基本的な取り組み(通常、最小限の投資で実施可能) 本ガイドについて
購入した基材を使用する場合は、以下を記録・保管してください。
注文書
ロット番号
供給業者名および受領数量
トレーサビリティと基材の品質を確保するための、購入基材の仕様
ラベル表示された基材の保管・更新状況、および在庫記録
自社で基材を製造する場合は、原材料、数量、および原産地のリストを保管してください。
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植物生産を成功させるうえで欠かせない条件のひとつが、培地の消毒(土壌の健全化処理)です。これにより、コーヒーの発芽床における主要な病害である、リゾクトニア菌(Rhizoctonia solani)、フザリウム菌(Fusarium spp.)、ピシウム菌(Pythium spp.)による被害を防ぐことができます。
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衛生管理(フィトサニタリー処理)は、育苗場の運営者の判断により、生物的・化学的・物理的のいずれの方法でも行うことができます。ただし、その効果を確実にするためには、定期的なモニタリングが欠かせません。
土壌消毒とは、種子の発芽や苗の生育に悪影響を及ぼす、土壌中の糸状菌(カビ)、センチュウ、昆虫、細菌、雑草の種子といった有害要因の影響を抑えるための処理です。
消毒剤(殺菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤)は、その国で使用が認められているものを使うのが一般的で、各製品の安全データシート(MSDS:Material Safety Data Sheet)に記載されたガイドラインに従って使用します。[訳注※※]
[訳注※※]日本国内では、コーヒーノキは農薬取締法上の作物分類で「果樹類」に属する(農林水産省30消安第6281号)。使用する薬剤が「果樹類」の適用範囲で登録されており、かつコーヒーが除外作物に指定されていないことを、農薬登録情報提供システムで確認したうえで使用すること。
土壌消毒には、天然由来の代替手段を用いることもできます(下記の選択肢を参照)。
金属製のバケツを用意します。
消毒したい培地(砂、土、天然繊維など)をバケツに入れます。
バケツの中身全体が浸るように、十分な量の熱湯を注ぎます。
中身が冷めるまで、容器をビニールシートで覆います。
水を切って乾かします。これで培地の準備が完了し、使用できる状態になります。
黒色のビニールシートの上に培地を広げ、均一な層になるように敷きます。
培地の湿度が50%になるまで灌水します。湿度の測定にはテンシオメーター(土壌水分計)の使用が推奨されます。
培地を透明なビニールシートで覆います。空気が入らないようしっかりと張り、熱が逃げないように端をしっかり閉じます。
直射日光の当たる場所に1週間以上置いておきます。
蒸気消毒には、発芽床の下に配管を通し、そこに蒸気(水蒸気)を通す設備が必要です。
ボイラーで水を90℃まで加熱します。
深部までしっかり消毒したい場合はビニールシートで覆い、表面だけの消毒であれば軽く覆う程度にします。
処理時間は、対象(糸状菌、細菌、センチュウのいずれか)によって異なります。